〔事務所NEWS〕悩ましいトレードオフの関係
外出自粛によるコロナショック(コロナ恐慌)が始まり、感染拡大の防止と経済回復の促進は表裏一体で、トレードオフの関係となっています。感染拡大防止を尊重し、外出自粛を宣言すれば、経済活動はストップし、あらゆる企業・個人事業主、サラリーマン、フリーターなどの所得が激減してしまいます。
また、所得減少を補填するために、国民全員に給付した特別定額給付金や、売上が対前年比50%超の減少など、売上が減少した企業・個人事業主に対して給付された持続化給付金や雇用調整助成金などの政府支援の支出をすると、財源確保の問題が発生してきてしまいます。逆に、経済回復を促進しようとすると、経済活動は回り始めますので、あらゆる企業や人の所得もある程度は確保されるでしょうが、新型コロナの感染拡大を引き起こしかねません。また、特別定額給付金などの対策を採らなくても済みますので、財政悪化は防げるでしょう。
更なる経済回復を促進するために始めた「Go To キャンペーン」ですが、キャンペーンに乗っかって、安く旅行に行き、安く食事をしようとする活動派と、キャンペーンはうれしいけど、新型コロナに感染したくないから、遠出は避けようとする自粛派に分かれ、二極化しているように思えます。10月から東京も対象となった「Go To トラベル」ですが、給付予定の上限額に達してしまったため、3日間ほど割引額が減額されていました。こちらも追加給付が決定したので、割引額が復活しましたが、この財源はどのように確保されるのかが気になるところです。
ここ最近、冠婚葬祭の連絡がありましたが、こちらもこのコロナ禍の影響があるようです。結婚式に関しては、報道でもよく取り上げられますが、感染者の少ない地域から多い地域への出席は周りの目もあるため、出席を控える人も多いので、リモート結婚式なども行われているようです。お葬式に関しては、お通夜・告別式は出席しなくてもお寺さんにお願いをすれば執り行うことができたとしても、お焚き上げ・納骨をリモートにすることは、故人のことを考えると障害が高いのではないのでしょうか。そのため、クラスターを考えてなのでしょうが、少人数で行う家族葬が増えているようです。
巷でもよく言われていますが、これからのコロナ禍・コロナ後では、今までの常識は通用しないでしょう。弊社でも試行錯誤をしながら、リモートワークの推進や外出をしないようにリモート会議などを併用し、新型コロナ感染の可能性を減らしております。ここ最近の欧州では、過去最高の感染者数を出しているようで、感染拡大防止と経済回復を両立することは難しいことが見て取れます。
皆様の会社でも、これまでの常識にはとらわれず、これからどのようにしたら、新しい社会に適応していけるのかを模索していただければと思います。我々もあらゆる業種のお客様と対応をさせていただいておりますので、同業種以外の取り組みを通したアドバイスができるものと思っております。
今回の事態は、今までにない経験だと思いますので、過去の先人の知恵が当てはまらないかもしれませんが、参考になることは必ずあると思います。温故知新ではないですが、逆境を乗り越えた偉人たちの書物を読んで、今後取り組むアイデアの参考としてみるのはいかがでしょうか。
税理士法人とどろき会計事務所
野曽木 尊之